好調の買取
北米の主要都市に支社を置く広告会社W.Hドウネイ社は、意図的にくちコミを生み出すしくみを開発し、販促キャンペーンで利用していました。
同社の、「くちコミエ作員」と称するくちコミで情報を伝播する専門員を2人1組にして、クライアントから要請のあったキャンペーン商品の素晴らしさについて、街中で話しをさせます。
さもその商品のユーザーといったそぶりで、地下鉄の車内、エレベーター内、スタジアムなど人が集まるところで、「何と使い勝手の良い商品なのだろう!」「本当にお買い得だった!」などといった会話を始めると、2人の会話に聞き耳を立てて聞いている周辺の人がその商品に興味を持ち、その商品が売っているお店に実際に行ってみるというものです。
意図的なくちコミ手法は効果甑面でした。
なんと、あるデパートではそれまでまったく売れなかったレインコートが一週間に7000着も売れたのです。
日本語に訳すとくちコミ広告となります。
さて、くちコミが適したものとして、よく引き合いに出されるのが映画です。
一般の人たちを招待して行う試写会は、まさにくちコミで映画の面白さを伝播してもらう方法として定着しています。
その中でも特筆されるのが、2000年に米国で公開された『Gリーン.デスティニー』です。
格闘技のMーシャルアーツに恋愛を絡めた米中合作のこの映画は、4部門のAカデミー賞を受賞しました。
それほどの映画が、公開当初は全国ロードショーではなく、いくつかのアートシアターとの単館契約でした。
全米700館以上で上映されることになったのです。
配給元のSニー.ピクチャーズ.クラシックではこの映画の未編集フィルムを観た時点で多くの人に受け入れられるべき内容と判断していましたが、中国系の監督と出演者はともに知名度が低く、中国語であったことからプロモーション予算を低く抑えることにしました。
低予算の中でのプロモーションということでとられた方法が、くちコミでした。
格闘技映画、アクション映画、恋愛映画、外国(中国)映画の要素を含んだこの映画をアピールするために、それぞれ空手ファン、アクション映画ファン、女性、外国語映画ファン、ティーンエイジャー、ニュースキャスターなどターゲットごとに試写会を上映したのです。
招待者は空手スクールなどのコミュニティに所属している人、女性向スポーツ誌の購読者などくちコミを周囲に派生させる影響力のある人に絞りました。
この戦略は見事にヒットし、それぞれの試写会参加者が各々のコミュニティでこの映画の面白さを伝えたのです。
こうした草の根的くちコミの広がりが全米に伝わり、Aカデミー賞受賞にまで至ることになったのです。
このように欧米では、くちコミを意図的に操作する方法がマーケティング活動として重視され、くちコミマーケティングに関する本も多く出版されています。
さて、日本ではどうでしょう〜くちコミの伝播力は日本でも多くのビジネスで利用されています。
女子高生のネットワークが急拡大し、利用したくちコミプロモーション会社も多く設立もちろん、フェイストゥフェイスの相手の顔が見えるくちコミも盛んに行われています。
このように、くちコミを行う環境は十分に整ったといえるでしょう。
こうした時代を迎えたいま、くちコミ仕掛け側がくちコミを効率的.効果的にコントロールして、プロモーションやブランディングをはじめとするマーケティング活動に役立てていただこうとのことから本書を執筆しました。
くちコミマーケティングは今後、ブロードバンドなど消費者のコミュニケーション環境の変化によって、さらに先鋭的なマーケティング手法になるかもしれません。
その時代を迎える前に、くちコミマーケティングをいかにマーケティングシステムとして取り入ればよいかを、本書から感じ取っていただければ幸いです。
また、ビジネスマン、OLを中心にインターネットが通常のコミュニケーション手段に利用されている現在、インターネット普及以前の時代とは格段に情報量が増大しています。
ネットを通したコミュニティが乱立することになり、そこから生まれるくちコミもさまざまなビジネスに影響を与えるものとなっています。
くちコミアンバサダーは、化粧品や健康食品、飲食店やエンターテインメントなどの分野で、すでにある程度の知識や情報を保有していることから、内容の新しさや実証価値にウェイトをおいた話題提供型&オーソリティは、金融商品やIT関連商品などシロウトでは判断が困難な分野で、感性よりはむしろ論理的かつ根気よく説得するベネフィット(便益)訴求型のくちコミの伝達が有効なパターンです。
さらにコミュニティエフェクターでは、一般食品やトイレタリー、日用雑貨などの分野で、目的実現の手段としてくちコミを利用する意思があることから、第5の経営資源としての顧客と良好な関係を築くことは重要です。
くちコミを成功させるには、クラブ化仕込まれたネタは、ターゲットに影響を与えるくちコミュニストによって、直接的に、また各メディアを通して最も効果的な『くちコミ』ネタとして情報伝播していくことになります。
くちコミュニストの3つの属性と各々の活用法が把握できたら、各属性に沿った、ターゲットの心に共振するネタ(キーワード)が必要になります。
ネタは新機軸の商品であれば商品特性そのものである場合もありますが、新しく創造され付加する場合も少なくくちコミの伝達経路が、金融商品やITなどの権威者となるオーソリティのパターンでは、伝達者の人数が少ないことに加え、専門家を納得させる裏付ケア検証が必要にもなり、他の伝達経路に比べてくちコミはゆっくりとした速度になりがちです。
オーソリティに推奨活動をしてもらう段階に至るまでには、長く根気や顧客間交流などにより顧客の満足度を高め推奨顧客に押し上げ、くちコミアンバサダーに成長させることが重要なポイントです。
くちコミアンバサダーになりうる対象者の抽出は、既存顧客向ケアンケート調査などを実施し、自社顧客の満足度、再購入意向度、他者への推奨意向度などを調査する必要があります。
『くちコミ』は商品やサービスの体験を、口コミを伝える核になるターゲット層に体験を通して商品やサービスを経験し理解してもらうことは、くちコミを派生させる手法として大きなウェイトを占めます。
『くちコミ」を誘発するプロモーションシールを最大限活用せよ様々な;くちコミ誘発シールの活用の仕方次第では、くちコミの浸透度(速さや深さ)が違ってきます。
狭義においては商品サンプルや実物をくちコミュニストに提供し、実際に使用して露出させることはくちコミを拡大する基本ですが、もう少し広い概念で捉える新商品や開発段階の商品であれば、商品情報を提供しアンケートやグループインタビュー、モニターなどを行っていくだけでターゲット層の参加意識が高まり、くちコミパワーを引き出すことができます。
また、既存の商品やサービスでもそのベネフィットを深く理解できる情報と体験の場が提供されることで顧客化する可能性が高くなり、その後のくちコミを誘発するくちコミュニストにもなり得ます。
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